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2026-07-23
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千葉県の空調・蓄電池更新補助金ガイド――上限1,000万円「業務用設備等脱炭素化促進事業」の使い方

こんにちは。Enememoの加藤です。

千葉県内で病院・工場・施設を運営されている方から、「空調が古くて電気代がかさむ」「蓄電池も導入したいが何から手をつければいいかわからない」というご相談を多くいただきます。今回は、そうした複数の設備更新ニーズをまとめてカバーできる、千葉県の補助金制度をご紹介します。あわせて、千葉市内の事業者向けに市独自の補助金制度も詳しく解説します。

千葉県が実施する「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金」は、空調・LED照明・冷凍冷蔵設備・蓄電池など、幅広い設備の更新に活用できる制度です。上限は1事業者あたり最大1,000万円と、県の補助金としては規模の大きい制度です。募集期間には限りがあるため、今回は制度の内容と申請までに必要な準備を整理していきます。

千葉県「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金」とは

本補助金は千葉県が実施し、株式会社ちばぎん総合研究所・エヌエス環境株式会社が事務局を担う制度です。中小事業者等の脱炭素化に向けた取り組みを支援するため、省エネルギー診断の受診や、その診断結果等を踏まえた脱炭素に資する設備導入等に対して補助金が交付されます。

対象設備

省エネルギー・再生可能エネルギーの活用等に資する設備が幅広く対象です。

  • LED照明器具
  • 空調設備
  • 変圧器
  • 断熱・遮熱工事
  • 省エネ型自然冷媒機器(冷凍冷蔵庫等)
  • ボイラー・給湯器・コンプレッサー
  • 工業炉・生産設備
  • エネルギー管理システム(EMS)
  • 自社所有の再エネ供給設備で発電した電力を蓄電する蓄電池

注意点:太陽光発電設備そのものや車両等は、本補助金の対象から除外されています。太陽光発電の新設をお考えの場合は別の補助金の検討が必要になりますので、この点は事前に押さえておいてください。

補助率・補助上限額

補助内容は、事前に受ける診断の種類によって2パターンに分かれます。

  • 省エネルギー診断を受けた場合:補助対象経費の2分の1、上限1,000万円/事業者
  • 簡易自己診断のみの場合:補助対象経費の4分の1、上限500万円/事業者

千円未満の端数は切り捨てとなります。また、撤去費・処分費・消費税及び地方消費税相当額・法定福利費・補助金等申請手続きの事務手数料などは補助対象外経費とされています。しっかりとした省エネルギー診断を受けることで、補助率・上限額ともに優遇される設計になっている点が本制度の大きな特徴です。

対象事業者と事前手続き

対象となるのは千葉県内の中小事業者等です。詳細な要件は「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金交付要綱」第2条で定められています。申請にあたっては、交付申請日までに①「CO2CO2(コツコツ)スマート宣言事業所登録制度」への登録申請、②募集要領で指定する「省エネルギー診断」の受診、または「簡易自己診断」の実施、の2点を済ませておく必要があります。

なお、令和8年度からの変更点として、従来の事業者に加えて「事業所の所有者」も新たに補助対象に加わりましたテナント等で事業を営んでいる場合でも、建物所有者側からの申請が可能になったケースがあるという点は見落とされやすいポイントです。

募集期間と申請上の注意

募集期間:令和8年5月15日(金)~令和8年10月7日(水)(省エネ診断枠・簡易自己診断枠)

この補助金には、以下の重要な注意点があります。第一に、予算がなくなり次第、締切前でも受付終了となります。千葉県の補助金は先着順的な運用がなされることが一般的であり、本制度も「予算がなくなり次第受付終了」という運用が案内されています。10月7日という締切日はあくまで上限であり、実際にはそれより前に受付が終了する可能性があります。第二に、交付決定前の発注・契約は補助対象外となるのが一般的な原則です。補助金を活用した設備更新を検討する際は、必ず交付決定の通知を受けてから契約・発注に進むようにしてください。第三に、省エネ診断の実施には一定の時間がかかります。診断の予約から結果が出るまでの期間を考慮すると、申請の準備は早めに始める必要があります。

千葉市内の事業者向け:中小事業者向け省エネルギー設備導入促進事業補助金

千葉市内に事業所をお持ちの場合、市独自の補助金である「中小事業者向け省エネルギー設備導入促進事業補助金」もあわせて検討の価値があります。

対象設備は7品目

千葉市の対象設備は、高効率照明、高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータの7品目です。このうち高効率照明・高効率空調・業務用給湯器は「グリーン購入法調達基準に適合した設備」または「トップランナー基準を達成した設備」であることが要件です。変圧器・冷凍冷蔵設備・産業用モータは「トップランナー基準を達成した設備」であることが要件とされています。産業ヒートポンプは「省エネルギー効果が明確に認められる設備」に限られます。いずれも未使用品であることが条件です。

補助率・補助上限額:令和7年度から上限が引き上げ

補助対象経費は、導入設備の本体購入費用のみであり、工事費等は含まれません。補助率は補助対象経費の3分の1以内(千円未満切捨て)です。そして、令和7年度(昨年度)からの主な変更点として、補助金の上限が25万円に変更されています。以前は上限が50万円でしたが、現在はこれより小規模な制度になっている点に注意が必要です。

あわせて、「事業の実施により削減されるエネルギー起源二酸化炭素排出量が年間3トン未満の事業であること」という要件が新たに追加されました。もし年間3トン以上の削減が見込まれる大規模な設備更新を計画している場合は、千葉市の本制度ではなく、前述の千葉県「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金」を検討するよう、千葉市自身が案内しています。つまり、削減効果の規模に応じて県と市の制度が明確に棲み分けられている構造です。

対象事業者の要件

千葉市の制度は、市内に本社(本店登記及び本社機能があり、代表取締役が常駐する事務所)を有する中小事業者等が対象です。以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 市税(延滞金を含む)の滞納がないこと
  • 同一の省エネルギー設備について、市から他に補助金等を受けていないこと
  • リースにより設備を導入する場合は、リース事業者と共同で補助事業を行い、補助金相当分をリース料金の減額という形で還元すること
  • 千葉市脱炭素推進パートナーであること(市外に本社がある場合は対象外)

「千葉市脱炭素推進パートナー」への登録は、補助金申請の前提条件です。登録は千葉市の別ページから行う必要があるため、申請を検討する場合はまずこの登録から着手することをお勧めします。

補助対象事業の要件

補助対象事業としては、市内の事業所に省エネルギー設備を設置・所有すること(リース事業者が所有する場合を含む)、既存設備の更新に伴うものであること(撤去して建て替え・移転後の事業所へ導入する場合を含む)、そして交付決定を受けた日以降に設置工事に着手することが求められます。着工後の事業は補助対象になりません。この「交付決定後の着工」というルールは千葉県の制度と共通する重要な原則です。

申請受付期間

受付期間:令和8年5月1日(金)~予算上限に達するまで(予算上限に達しない場合は令和8年12月15日(火)まで)。受付時間は9:00〜17:00で、土・日・祝日、年末年始を除きます。

受付方法は先着順ですが、同日の受付で募集予算額を超えた場合は抽選により補助対象者を決定するという運用がある点は独自のルールです。また、同一年度内において同一事業者の申請は1件までとされています。

申請から交付までの流れ

申請書提出後、千葉市による審査には約8週間を要し、その後「交付決定通知書」が発送されます。通知日以降であれば契約や工事に着手できます。事業完了後は、令和9年2月12日(金)までに工事完了・実績報告書の提出が必要です。実績報告書の審査には約4週間を要し、額確定通知書の発送後、交付請求書を提出してから約4週間で補助金が振り込まれます。実績報告書の提出が期限までに間に合わないと補助金を受けられなくなるため、工事完了後は速やかな手続きが必要です。

なお、補助対象となった設備は、財産処分制限期間中に処分(譲渡・貸付・廃棄等)する場合、事前に市の承認が必要です。制限期間中に承認なく処分した場合や、期間内に処分せざるを得ない場合は、経過期間に応じた補助金の返還が求められる仕組みになっています。

県と市、どちらを使うべきか

千葉市内で設備更新を検討している事業者は、県と市のどちらの制度が適しているか迷われるかもしれません。整理すると、判断のポイントは主に削減効果の規模と対象設備の範囲です。

CO2削減効果が年間3トン以上見込まれる規模の設備更新(複数設備の同時更新や、大型の空調・ボイラー更新等)であれば、千葉県の制度(上限1,000万円、補助率1/2または1/4)が適しています。一方、LED照明や小型の空調更新など、比較的小規模な単体設備の更新であり、CO2削減効果が年間3トン未満に収まる場合は、千葉市の制度(上限25万円、補助率1/3)が候補になります。ただし、千葉市の制度は補助率がやや低く上限額も小さいため、複数設備をまとめて更新する場合は、県の制度で省エネ診断を受けたうえで申請する方が有利になるケースが多いと考えられます。

なお、同一設備について、市から他の補助金等を重複して受けることはできません。県と市の制度を組み合わせて活用できるかどうかは、対象設備を分けて申請するなど個別の設計が必要になるため、この点はEnememoにご相談いただければ整理のお手伝いをいたします。

まとめ

千葉県「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金」は、空調・LED照明・冷凍冷蔵設備・蓄電池(自社再エネ由来のもの)など幅広い設備更新をカバーし、省エネ診断を受けることで最大1,000万円の補助が受けられる制度です。募集期間は令和8年10月7日までですが、予算到達により早期終了する可能性があるため、早めの準備・申請が重要です。

千葉市内の事業者は、市独自の「中小事業者向け省エネルギー設備導入促進事業補助金」(対象7品目、補助率1/3、上限25万円)も選択肢になりますが、令和7年度から上限額が引き下げられ、CO2削減効果が年間3トン未満という要件が新設されている点に注意が必要です。年間3トン以上の削減が見込まれる場合は、県の制度が優先候補となります。

Enememoでは、CO2CO2スマート宣言・千葉市脱炭素推進パートナーの登録から省エネ診断、申請書類の作成まで一括でサポートしています。「うちの設備は対象になるか」「県と市、どちらを使うべきか」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。