こんにちは。Enememoの加藤です。
経済産業省・環境省に続く省庁別補助金シリーズ第3弾として、今回は国土交通省が所管する補助金を取り上げます。国交省所管の補助金の中でも、当社が特に申請支援の実績を持つのが「既存建築物省エネ化推進事業」です。千葉県の老人福祉施設様での空調更新・LED照明・屋上断熱防水工事において、工事総費用1億5,600万円に対して5,000万円(補助率1/3)の採択を実現した実績があります。
2026年3月現在、令和8年度本予算は3月13日に衆院を通過し、参院で審議中です。
参院での採決が月内に間に合わない場合は暫定予算が編成される見通しで、本予算は憲法の規定により4月11日頃に自然成立する見込みです。本事業の公募開始はその後となります。
既存建築物省エネ化推進事業とは
既存建築物省エネ化推進事業は、国土交通省が所管する補助金で、建築物ストックの省エネルギー改修等を促進することを目的としています。民間事業者等が行う省エネルギー改修工事(および省エネ改修と合わせて実施するバリアフリー改修工事)に対して、国が費用の一部を支援します。経産省のSII補助金(省エネ補助金)が設備単体の更新を主な対象とするのに対して、本事業は「建築物全体の改修」に着目しており、躯体の断熱改修から設備更新まで幅広い工事をひとまとめで申請できる点が特徴です。
基本的な制度概要は次の通りです。支援対象は「20%以上の省エネ効果が見込まれる既存建築物の省エネ改修工事等」で、住宅ではなく非住宅建築物(事務所・病院・ホテル・学校・商業施設・老人福祉施設など)が主な対象です。補助率は1/3で、補助限度額は5,000万円/プロジェクト(設備部分は2,500万円)。省エネルギー改修工事とバリアフリー改修工事にかかる事業費の合計が500万円以上であることも要件となっています。バリアフリー改修工事を同時に実施する場合は、当該工事費として2,500万円を上記補助限度額に加算できるため、実質的な上限は7,500万円になる場合もあります。
補助対象工事の範囲は幅広く、躯体(外皮)の省エネ改修(天井・外壁等の断熱、複層ガラス・二重サッシ等の開口部改修)と、建築設備の省エネ改修(空調・換気・給湯・照明等の高効率設備への更新)が対象となります。工場・実験施設・倉庫等の生産用設備を有する建築物の改修や、後付の家電等の交換は対象外である点には注意が必要です。なお、本事業の申請者は工事施工者ではなく建物の所有者・管理者等です(SII補助金も同様に申請主体はエンドユーザーです)。施工会社・設備会社が補助金を紹介して顧客の改修を後押しするケースも多く、当社では施工会社様からの相談にも対応しています。
例年のスケジュールと過去の実績
本事業の公募スケジュールは、毎年ほぼ一定のパターンを示してきました。執行団体(既存建築物省エネ化推進事業評価事務局)の公式ページには過去の公募記録が掲載されており、近年の傾向は以下の通りです。
令和7年度(2025年度)は4月18日(金)〜5月23日(金)が公募期間で、9月8日に審査終了・採択件数が公表されています。令和6年度(2024年度)は4月24日〜5月30日公募、8月30日採択結果公表です。令和5年度は春・秋の2回公募(第1回:4月17日〜5月23日、第2回:9月11日〜10月11日)が実施されました。令和4年度も2回公募が行われており、近年は春に1回(4〜5月)または春・秋2回の公募が実施されるパターンが続いています。
この傾向からわかることは、本事業は令和8年度本予算を財源とする補助金であり、4月中旬頃の公募開始が例年の姿だということです。本予算は4月上旬〜中旬の成立が見込まれており、公募開始は例年の4月中旬より若干後ろにずれ、5月頃となる可能性があります。
2026年の状況:本予算成立後に公募開始が間もなく到来
2026年は通常国会冒頭解散の影響で令和8年度本予算の審議開始が例年より約1ヶ月遅れました。3月13日に衆院を通過し、現在参院で審議中です。年度内の参院採決は困難な情勢で、暫定予算が編成される見通しです。憲法の規定により4月11日頃に自然成立する見込みで、本事業の公募開始はそれ以降となります。本事業を含む令和8年度本予算ベースの補助金は、予算成立を受けて公募準備が本格的に動き出します。
例年通りの点:補助率1/3・補助上限5,000万円・省エネ要件20%以上・500万円以上の事業費要件・バリアフリー加算の仕組みは、制度として変更なく継続する見込みです。国土交通省の公式ページにも令和8年度(2026年度)版として同制度が記載されており、事業継続に向けた準備が進んでいます。
例年との相違点:今年度は本予算の衆院通過が例年より約1ヶ月後ろにずれたため、公募開始も例年の4月中旬より若干後倒しとなる可能性があります。本予算は4月11日頃の自然成立が見込まれており、5月前後の公募開始は十分視野に入ってきます。採択後は「採択を受けた年度の年度末(2027年3月)までに工事契約等を締結すること」が要件のため、採択から工事契約までのスケジュール管理には引き続き注意が必要です。設計・施工会社との事前調整を今のうちに済ませておくことが、スムーズな申請につながります。
当社の採択実績:老人福祉施設5,000万円採択の事例
当社の採択実績として、千葉県内の老人福祉施設様において既存建築物省エネ化推進事業を活用した事例があります。
この案件では、工事総費用1億5,600万円に対して補助金5,000万円(補助率1/3)を採択しました。工事内容は空調更新・照明のLED化・屋上断熱防水の3つの工事を組み合わせたプロジェクトです。当初、施設様は補助金を使わずに設備改修を行ってきた経緯がありましたが、当社からの提案を受けて補助金活用を検討・申請されました。採択後には「今まで補助金を使わずに設備改修をしていたため、もっと早くに知りたかった。第2期工事でもよろしくお願いします。」というお声をいただいています。
この事例が示すように、既存建築物省エネ化推進事業は空調・照明・断熱といった建物全体の省エネ改修を一括して補助対象にできる点が大きな特徴です。単一設備の更新にとどまらず、複数の改修工事を組み合わせることで補助限度額5,000万円に近い採択額を目指せるケースもあります。老人福祉施設・病院・ホテル・学校・商業施設など、築年数が経過した非住宅建築物の大規模改修を検討中の方には、特に相性の良い補助金です。
申請に向けた事前準備のポイント
本事業は公募期間が1〜1.5ヶ月程度と比較的短く、書類準備に時間を要する補助金です。申請者(建物の所有者・管理者等)が省エネ改修計画を立案し、省エネ効果(20%以上の省エネ達成見込み)を示す計算書等を用意する必要があります。本予算の成立は4月上旬〜中旬が見込まれており、公募開始まで残り時間はあまりありません。今から準備を進めることが採択への鍵です。
事前に進めておくべき主な準備としては、まず「改修計画の策定」です。どの設備・部位を改修するか、工事の優先順位と費用見積もりを施工会社と詰めておきましょう。次に「省エネ効果の試算」です。20%以上の省エネ達成が見込めるかどうかの試算が必要で、現状のエネルギー使用実績データの収集もあわせて進めておくことが重要です。そして「バリアフリー改修との組み合わせ検討」です。同時にバリアフリー改修工事を実施する計画がある場合は、補助限度額の加算が受けられるため、改修計画の整理段階からあわせて検討することをお勧めします。
当社では省エネ率の計算レビューから申請書類の作成まで一貫して支援しています。「20%の省エネ効果が達成できるかわからない」「どの工事内容が補助対象になるか確認したい」「設備工事会社から相談を受けたがどう進めればいいか」といったご相談もお気軽にどうぞ。今すぐご連絡いただくことで、公募開始後に迅速に動ける体制を整えることができます。
「採択を勝ち取る」にこだわり続けるEnememoが、今できることをお伝えします
既存建築物省エネ化推進事業は、令和8年度本予算は4月上旬〜中旬に成立する見込みで、公募開始は例年より若干遅れ5月頃となる可能性があります。いずれにせよ準備に使える時間は多くありません。
当社は老人福祉施設での5,000万円採択実績をはじめ、既存建築物省エネ化推進事業に関する申請支援の経験を持っています。補助金採択実績にこだわるEnememoが、省エネ計画の立案から採択後のフォローまで伴走してまいります。本補助金は経産省補助金や環境省補助金と組み合わせて活用できないか検討することも重要です。たとえば、空調更新で経産省のSII補助金(省エネ補助金)を活用しつつ、躯体断熱・照明・屋上防水は本事業で申請するといった形で、設備・工事の種別に応じて補助金を使い分けることで補助総額を最大化できるケースがあります。まずはお気軽にご相談ください。

