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2026-06-06
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【使い分けガイド】蓄電池補助金と省エネ補助金は何が違う? 同時に使える? 〜病院・工場・施設の担当者が知っておくべき2つの補助金の「棲み分け」〜

こんにちは。Enememoの加藤です。

5月の記事では、系統用蓄電池(FoM)と需要側蓄電池(BtM)それぞれの補助金を解説しました。読者の皆様から「空調やコンプレッサーの更新に使う省エネ補助金と、蓄電池の補助金は何が違うのか」「同時に申請できるのか」というご質問を多くいただきます。

今回はこの疑問に正面から答えます。結論を先に申し上げると、蓄電池補助金と省エネ補助金は「目的も制度も別物」であり、対象設備が重複しない限り、原則として同時に申請できます。ただし、それぞれの制度には固有の要件があり、正確な理解なしに申請すると時間とコストを無駄にしてしまいます。そこで本記事では両制度の違いを整理していきます。

そもそも「省エネ補助金」とは何か

「省エネ補助金」とは、経済産業省(資源エネルギー庁)が所管し、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行する「省エネ・非化石転換補助金」の総称です。工場・事業場が省エネ性能の高い設備へ更新する際の費用を補助する制度で、申請の形式によって大きく2つに分かれます。

  • 工場・事業場型(Ⅰ型):工場・事業場全体の省エネ計画を策定し、エネルギー消費原単位の改善率などの要件を満たした上で申請する。大規模な設備更新に向く
  • 設備単位型(Ⅱ〜Ⅳ型):SIIが指定した高効率設備を個別に更新する形で申請できる。工場全体の計画を組む必要がなく、比較的取り組みやすい

設備単位型の指定設備の例としては、高効率空調・冷凍冷蔵設備・制御機能付きLED照明・高効率変圧器・コンプレッサー(圧縮機)・産業用モータ・低炭素工業炉などが挙げられます。SIIのウェブサイトで型番単位の検索が可能です。

重要:蓄電池は省エネ補助金(設備単位型)の指定設備には含まれていません。 省エネ補助金は「エネルギーを効率よく使う設備」を対象とするものであり、「電力を貯める設備」である蓄電池は制度の対象外です。この点が最も大きな誤解を生みやすいポイントです。

ケース別:どちらを使えばよいか

ケース①:「空調が古くなってきた。電気代も下げたい」(病院・福祉施設)

→省エネ補助金(設備単位型Ⅲ型)の検討が第一候補です

業務用高効率空調はSIIの指定設備に登録されており、設備単位型(Ⅲ型)の補助対象です。補助率は1/3以内(中小企業は1/2以内)で、補助下限額は30万円と小規模な更新でも申請できます。病院・福祉施設は年間を通じて空調稼働時間が長く、高効率機への更新による省エネ効果・電気代削減効果が大きい傾向があります。

蓄電池は本ケースでは直接関係しませんが、空調の省エネ更新を行いつつ別途蓄電池補助金に申請することは可能です(後述)。

ケース②:「工場のコンプレッサーを更新したい。同時に蓄電池も入れたい」(製造業)

→コンプレッサーに省エネ補助金、蓄電池に蓄電池補助金をそれぞれ別申請できる可能性があります

コンプレッサー(圧縮機)は省エネ補助金の指定設備に含まれます。一方、蓄電システムはDR業務産業用蓄電池補助金(SII)の対象です。両者は別の設備・別の補助金制度であるため、原則としてそれぞれ独立して申請が可能です。ただし、補助金ごとに申請スケジュール・書類が異なり、省エネ計算や事業計画の作成に相応の工数がかかります。並行申請を検討する場合はEnememoにご相談ください。

ケース③:「太陽光発電を屋根に設置して、蓄電池も入れたい」(病院・施設)

→ストレージパリティ補助金(環境省・EIF)が第一候補です

太陽光発電(10kW以上)と蓄電池(20kWh以上)を同時導入する場合、環境省のストレージパリティ補助金が活用できます。太陽光発電設備と蓄電池の両方が補助対象となり、電気代削減とBCP(事業継続)強化を同時に実現できます。省エネ補助金との関係では、太陽光・蓄電池の導入後に別途空調等の省エネ更新を省エネ補助金で申請することは可能です(設備が異なるため)。

ケース④:「設備更新の予算が限られており、どれか一つに絞りたい」

→「最も費用対効果が高い設備更新は何か」を先に判断することが重要です

Enememoでは省エネ計算をもとに、各設備更新の年間削減効果と補助金受取額を比較した「投資優先度の整理」をサポートしています。「何から手をつければよいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

「同時申請」で注意すべきこと

省エネ補助金と蓄電池補助金を並行して活用することは制度上可能ですが、以下の点に注意が必要です。

① 同一設備への重複申請は厳禁

異なる補助金から同一の設備に対して補助を重複して受け取ることは、補助金の不正受給に当たります。例えば「同じ蓄電池に対してDR補助金とストレージパリティ補助金の両方に申請する」ことは認められません。補助金ごとに補助対象設備を明確に分けて申請することが原則です。

② 申請スケジュールの管理

省エネ補助金(設備単位型)の1次公募は2026年4月27日に終了しており、2次公募のスケジュールは2026年6月上旬が予定されています。蓄電池補助金(DR業務産業用・小規模)は2026年10月30日まで受付中です。それぞれ公募期間が異なるため、スケジュール管理を誤ると申請機会を逃すリスクがあります。

③ 省エネ計算の負担

省エネ補助金(特に工場・事業場型)では申請時に「省エネルギー量計算書」の提出が求められます。この計算は施設の現況データをもとに行う必要があり、専門知識がなければ正確な計算書の作成は容易ではありません。Enememoでは省エネ計算の代行も対応しており、採択率を高めるための書類作成を一括サポートしています。

まとめ:「省エネ補助金」と「蓄電池補助金」は補完関係にある

省エネ補助金と蓄電池補助金は、制度の目的も対象設備もまったく異なる、いわば「補完関係」にある2つの仕組みです。

  • 空調・LED・コンプレッサーなどの省エネ設備更新 → 省エネ補助金(SII)
  • 業務産業用蓄電システムの新規導入(DR参加前提) → DR蓄電池補助金(SII)
  • 太陽光発電との同時導入 → ストレージパリティ補助金(環境省・EIF)

「まず省エネ補助金で空調を更新して電気代を下げ、次のステップで蓄電池を導入してさらにコスト削減・BCP強化を図る」という段階的な投資設計も、中長期的な施設経営の観点から有効なアプローチです。

Enememoでは省エネ補助金・蓄電池補助金のいずれにも対応しており、「どちらから手をつけるべきか」という相談から承ります。補助金申請は完全成功報酬のため、採択されない限り費用は発生しません。ぜひお気軽にご相談ください。