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2026-07-31
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神奈川県の工場・病院向け補助金――太陽光+蓄電池セットで使える自家消費型再エネ補助金

こんにちは。Enememoの加藤です。

「電気代の高騰が続く中、自家発電で電気代を抑えたい」「災害時の停電に備えて自社でも電源を確保したい」。神奈川県内の工場・病院・福祉施設の経営者様から、こうしたご相談が急増しています。太陽光発電と蓄電池をセットで導入すれば、電力コスト削減とBCP(事業継続計画)対策を同時に実現できますが、初期投資の大きさが導入のハードルになっているケースも少なくありません。

今回は、神奈川県内で自家消費型の太陽光発電・蓄電池を導入する事業者に向けた「神奈川県自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」をご紹介します。この補助金は昨年度、受付開始から約9か月で予算に到達し受付終了となった実績があります。今まさに検討を進めるべきタイミングにある制度として、内容を詳しく解説します。

神奈川県「自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」とは

本補助金は神奈川県が実施する事業者向けの制度で、自家消費を目的とした再生可能エネルギー発電設備や、当該設備と併せて導入する蓄電システムの導入に係る経費の一部を補助するものです。個人の住宅への導入は対象外であり、事業者専用の制度である点がまず押さえておくべきポイントです。

対象となる再エネ発電設備と発電出力等の要件

対象となる自家消費型再生可能エネルギー発電設備は、太陽光発電設備に限りません。ただし、種別ごとに満たすべき要件が要綱で定められています。

  • 太陽光発電:発電出力10kW以上であること
  • 風力発電:単機の発電出力1kW以上であること
  • 水力発電:発電出力1,000kW以下であること
  • 地熱発電:特に要件なし
  • バイオマス発電:バイオマス依存度60%以上であること

また、不特定かつ多数の者が利用する施設において、障害者等用駐車区画にソーラーカーポート(発電出力10kW未満)を設置する場合は、本補助金ではなく「神奈川県ソーラーカーポート設置促進事業費補助金」(地域福祉課所管)の対象となる可能性がある点も、県公式ページに明記されています。

蓄電システムは「単独設置」では対象にならない

本補助金の最大の特徴のひとつが、蓄電システムの位置づけです。補助対象となる自家消費型再生可能エネルギー発電設備と併せて蓄電システムを設置する事業は補助対象となりますが、蓄電システムだけを単独で設置する場合は補助対象になりません。つまり、太陽光発電など再エネ発電設備の導入が前提条件であり、蓄電池は「セット」で初めて補助対象になるという構造です。この点は「まず蓄電池だけ入れたい」とお考えの事業者にとって重要な制約ですので、必ず押さえておいてください。

加えて、蓄電システムは定置用であることが要件とされており、補助事業で設置する再エネ発電設備で発電した電力の全部または一部を充電し、当該施設で消費できるものである必要があります。

FIT・FIPの認定を受ける設備は対象外

見落とされがちですが重要な要件として、補助事業で設置する設備は、FIT(固定価格買取制度)およびFIP(Feed-in Premium)の認定を受けないものであることが定められています。つまり、売電による収益を目的とした設備ではなく、あくまで自家消費目的の設備であることが前提です。

また、次の条件を満たす必要があります。

  • 補助事業で設置する設備から得られた電力量の50パーセント以上を、補助事業者(リース等で実施する場合はリース等使用者)が自ら消費すること
  • 設備は神奈川県内に設置し、当該設備から得られた電力を神奈川県内で消費すること
  • 補助事業者へ供給した電力量に紐づく環境価値を県外に移転させないこと

補助要件:太陽光は1kWあたり8万円、蓄電池は1kWhあたり5万円

補助金額の算定方法は、太陽光発電設備等と蓄電システムとで別々に定められています。

自家消費型再生可能エネルギー発電設備

補助金額は、発電出力に1kWあたり8万円を乗じた額です。さらに、「かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度」の認証を受けている場合は、発電出力に1kWあたり2万円が上乗せされます。

補助上限額は、補助事業者(リース等により実施する場合はリース等使用者)が中小企業等かどうかによって以下のように異なります。

  • 中小企業等である場合:補助対象経費が上限(実質的に上限なし、経費の範囲内)
  • 中小企業等でない場合:補助対象経費、または3,000万円のいずれか低い方

蓄電システム

自家消費型再生可能エネルギー発電設備と併せて導入する場合、補助金額は、導入する蓄電システムの容量に1kWhあたり5万円を乗じた額です。ただし、補助対象経費と500万円のいずれか低い方を上限とします。

補助対象経費の範囲

補助対象経費には、自家消費型再生可能エネルギー発電設備及び附属設備(架台、パワーコンディショナー等)の購入・製造等に要する設備費と、設置に向けた設計費用を含む設置工事費が含まれます。消費税及び地方消費税相当額は控除される点、また土地の造成費用や既存設備の撤去費用は対象外である点にも注意が必要です。

対象事業者

補助の対象となるのは、神奈川県内に補助対象設備を設置する法人、または青色申告を行っている個人事業者です。リース・PPA(電力購入契約)等で実施する場合は、リース等事業者が補助金の交付を受ける形になります。

工場・病院・福祉施設といった業種を問わず、法人であれば広く対象になり得る制度設計です。個人住宅への導入が対象外である一方、事業用としての導入であればハードルは高くありません。

「中小企業等」の範囲は病院・福祉施設にも及ぶ

補助上限額に関わる「中小企業等」の定義は、単純な中小企業だけを指すものではありません。要綱上、以下もすべて「中小企業等」に含まれます。

  • 中小企業基本法上の中小企業者(大企業の実質子会社等を除く)
  • 学校法人
  • 一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、特定非営利活動法人
  • 医療法人
  • 社会福祉法人
  • 中小企業団体

このため、病院を運営する医療法人や、福祉施設を運営する社会福祉法人は、多くの場合「中小企業等」の枠組みで補助対象経費の上限なしという扱いを受けられる可能性があります。ただし、個別の法人の状況によって判定が異なるため、実際の該当可否は申請前に確認が必要です。

そのほかの一般的な欠格要件

このほか、補助事業者としての一般的な欠格要件(銀行取引停止処分を受けていないこと、不渡りを出していないこと、破産・再生・更生手続きの申立てがなされていないこと、税の滞納がないこと等)が定められています(出典⑩ 第3条第2項)。通常の事業運営を行っている事業者であれば該当する可能性は低いですが、申請前に自社の状況を確認しておくことをお勧めします。

【最重要】募集期間と「早期終了」の実績

令和8年度の受付期間

令和8年度の受付期間は、令和8年4月30日(木)から令和9年2月26日(金)までです。ただし、これはあくまで上限の期限であり、実際にはこれより早く受付が終了する可能性が極めて高いことを強調しておきます。

先着順・予算到達で即終了という運用

補助金の交付申請は補助枠の範囲内で先着順にて受け付けており、電子申請システム上受け付けた場合であっても、予算額に達してからの申請は受理されません。提出期限にかかわらず、補助枠を超える申請があった時点で受付を終了する運用です。

つまり、令和9年2月26日という期日は形式上の締切に過ぎず、予算が尽きた時点で即座に受付終了となる運用です。

令和7年度は約9か月で予算到達・受付終了

神奈川県のポータルサイトでは、令和7年度分について「予算上限に達したため、受付終了いたしました」と明記されており、複数の情報源によると、昨年度(令和7年度)は約10億円の予算に対し、受付開始から約9か月で申請額が予算額に達し、受付終了となったとされています。

制度上の締切日(2月末頃)を待たずに、実質的には数か月というスパンで予算が枯渇した実績があるという点は、これから申請を検討する事業者にとって極めて重要な情報です。令和8年度についても、同様のペースで早期終了する可能性を前提に、早めの準備・申請を強くお勧めします。

申請方法と注意点

電子申請システムのみでの受付

申請は原則として神奈川県電子申請システムのみで受け付けており、持込みによる提出は受け付けていません。申請者自らが申請書等を作成した上で、申請者自らが県に提出する必要があります。事前にシステムの利用準備を整えておくことをお勧めします。

交付決定前の着工は補助対象外

他の多くの補助金制度と同様に、本補助金でも交付決定前に工事に着手した場合は補助対象外となります。補助事業の着手日は、要綱上「設置工事に着工した日」と定義されています。採択の可否が判明する前に発注・着工を進めてしまうと、補助金を受けられなくなるため、必ず交付決定の通知を待ってから契約・工事に進んでください。

導入後の設備処分にも制限がある

補助事業により取得した設備は、一定期間内に知事の承認を得ずに譲渡・貸付・取り壊し等の処分を行うことができません。この処分制限期間は、要綱上、自家消費型再生可能エネルギー発電設備が10年、蓄電システムが6年と定められています。導入後すぐの設備更新や事業所の統廃合に伴う設備譲渡等を検討している事業者は、この制限期間を踏まえたスケジュール設計が必要です。

他の補助金との併用について

要綱第4条第1項には、補助額と国等の補助金その他の給付の合計額が補助対象経費を超えないことという規定があります。この規定に照らすと、補助対象経費の上限内であれば、他の補助金との併用自体は制度上想定されていると解釈できます。

一方で、別の情報源では「補助対象設備を設置した施設と同一の所在地において、令和5年度に国の資金を原資とする補助金及び『かながわスマートエネルギー計画』を推進するための県の補助金(一部除く)との併用はできません」という制約も指摘されています。これは令和5年度時点の経過措置に関連する記載である可能性がありますが、この点は申請前に必ず県の最新の要綱・手引きで確認するか、Enememoまでご相談ください。

まとめ

神奈川県「自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」は、太陽光発電等の自家消費型再エネ発電設備(1kWあたり8万円、10kW以上が対象)と、それに併せて導入する蓄電システム(1kWhあたり5万円、上限500万円)をセットで支援する制度です。FIT・FIPの認定を受けない自家消費目的の設備であること、発電電力の50パーセント以上を自ら消費すること等の要件があり、導入後は発電設備10年・蓄電システム6年の処分制限も課されます。

令和8年度の受付は令和9年2月26日までを上限としていますが、先着順・予算到達次第受付終了という運用であり、昨年度は約9か月で予算に到達した実績があります。

工場の電力コスト削減、病院・福祉施設のBCP対策として太陽光+蓄電池の導入をご検討中の神奈川県内事業者様は、予算切れによる機会損失を避けるためにも、早めの準備をお勧めします。

Enememoでは、かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証の取得支援から、補助金申請書類の作成、他の補助金との併用可否の整理まで一括でサポートしています。「自社の設備は対象になるか」「今から間に合うか」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。