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2026-08-19
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【解説】横浜市「太陽光発電導入支援助成金」とは? 中小企業向け最大500万円と神奈川県補助金との併用を整理

こんにちは。Enememoの加藤です。

「太陽光発電と蓄電池を導入したいが、初期費用がネックになっている」「横浜市と神奈川県、両方の補助金が使えるなら併用したい」。横浜市内で事業を営む経営者様から、こうしたご相談をいただくことが増えています。

今回は、横浜市が実施する中小企業向けの「太陽光発電導入支援助成金」を単独で詳しく解説します。最大500万円の助成が受けられる制度であることに加え、神奈川県「自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」との併用が公式に認められているという、横浜市内の事業者にとって見逃せないポイントもあわせてご紹介します。

制度概要と助成金額

本助成金は、横浜市内の中小企業者が実施する太陽光発電設備等の導入に対する助成を行うことで、エネルギー価格高騰対策と脱炭素化を支援し、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を進めることを目的とした制度です。

助成金額は、太陽光発電設備と蓄電システムを同時に導入するかどうかで異なります。

  • 太陽光発電・蓄電システムを同時に導入する場合:発電出力に1kWあたり10万円を乗じた額(上限500万円)
  • 太陽光発電のみを導入する場合:発電出力に1kWあたり8万円を乗じた額(上限400万円)

蓄電池単独では対象とならず、太陽光発電設備とセットで導入することが前提です。なお、上限額が助成対象経費を上回る場合は助成対象経費が上限となり、後述する神奈川県の補助金を併用する場合は、当該補助金額を控除した額が上限となります。

対象事業者:中小企業者に限定、会社法以外の法人は対象外

助成対象者は、横浜市内に事業所を持つ中小企業者です。中小企業基本法に基づく資本金または従業員数の基準は次のとおりです。

  • 製造業、建設業、運輸業等:資本金3億円以下または従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下
  • 飲食サービス業、小売業:資本金5,000万円以下または従業員50人以下

特に注意すべき点として、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、NPO法人等の「会社法以外の法人」は対象外とされています。これは神奈川県の自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金で医療法人・社会福祉法人等が「中小企業等」に含まれるのとは対照的な取扱いであり、横浜市の本助成金では株式会社等の会社法上の法人および個人事業主が主な対象になる点にご注意ください。

導入方法は、購入、リース、オンサイトPPA(電力販売)の3区分に限られ、割賦、ソーラーローン、オフサイトPPAによる導入は助成対象として認められていません

申請の前提となる「脱炭素取組宣言」と「YGrEP協議」

本助成金には、他都市の類似制度にはあまり見られない申請前の準備手続きが2つ課されています。

  • 脱炭素取組宣言:横浜市が実施する脱炭素取組宣言制度に基づき、宣言書または確認書を取得すること。所要時間は3〜5分程度とされています
  • 脱炭素・GREEN×EXPO推進局との協議:太陽光発電設備等の導入により創出される環境価値を、横浜グリーンエネルギーパートナーシップ(YGrEP)事業で利用することについて、脱炭素ライフスタイル推進課と事前に協議を行うこと

いずれも交付申請前に完了させておく必要がある手続きであり、募集開始前からでも準備可能です。申請直前になって慌てないよう、早めに着手することをお勧めします。

対象設備の要件:自家消費型かつ災害時の電力提供が条件

助成対象となる太陽光発電設備には、次の要件が定められています。

  • 発電出力が10kW以上であること(太陽電池モジュールの公称最大出力とパワーコンディショナーの定格出力のいずれか低い方で判定)
  • 設置する事業所において発電した電力を自家消費するものとし、年間発電量が当該事業所の年間消費電力量の範囲内であること
  • FIT(固定価格買取制度)またはFIP(Feed-in Premium)制度の認定を取得しないこと
  • 停電時においても当該事業所で電力の全部または一部を使用できること
  • 災害時等に、助成対象設備により発電した電力を地域住民に提供すること

蓄電システムについては、太陽光発電設備と併せて設置する定置用のものであり、停電時に自動で電力を使用できる自立運転自動切替機能を有することが要件とされています。

「災害時に地域住民へ電力を提供すること」という要件は見落とされがちですが、本助成金の対象者として明記された義務です。BCP対策としての導入価値だけでなく、地域防災への貢献という側面も踏まえた事業計画づくりが求められます。

神奈川県補助金との「ダブル活用」が公式に認められている

本記事で特に強調したいのが、神奈川県「自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」との併用が横浜市の公式資料で明記されているという点です。

募集案内では、助成対象外経費の一般ルールとして「本市の他の助成制度又は他の公的助成制度の交付決定又は助成金等の支払いを既に受けているものは対象外」と定めつつ、この除外規定の対象から神奈川県の自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金だけを明示的に除いていることが確認できます。つまり、国の他の補助金や横浜市の他の助成制度とは重複できない一方で、神奈川県のこの補助金だけは特別に併用が認められているという制度設計です。

実績報告の提出書類にも、県補助金と併用する場合は神奈川県から郵送された交付決定通知書の写しを提出する項目が設けられており、併用を前提とした運用がなされていることがうかがえます。

なお、神奈川県の自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金は、太陽光発電設備で1kWあたり8万円(かながわ脱炭素チャレンジャー認証がある場合は2万円上乗せ)、蓄電システムで1kWhあたり5万円(上限500万円)という設計であり、令和8年度の受付は先着順で予算到達次第終了する運用です。横浜市の助成金とあわせて活用する場合は、双方の要件(太陽光10kW以上、FIT/FIP不可、自家消費要件等)をいずれも満たす必要がある点にご注意ください。

申請期間は令和8年10月30日まで

横浜市の交付申請期間は、令和8年5月1日(金)10時から令和8年10月30日(金)17時までです。先着順により受け付け、予算額に達した時点で受付を終了する運用のため、早めの準備をお勧めします。

交付決定日より前に工事に着手した場合は助成対象外となる点にも注意が必要です。設備の発注・契約自体は交付決定前でも可能とされていますが、現地での架台設置や配線工事等の「工事開始日」に該当する行為は、必ず交付決定日以降に行う必要があります。

このほか、実績報告期限は令和9年1月29日(金)17時まで、助成金交付請求書の最終提出期限は令和9年2月26日(金)17時までと定められています。

まとめ

横浜市「太陽光発電導入支援助成金」は、太陽光発電と蓄電池を同時導入する中小企業に対し、1kWあたり10万円、上限500万円という手厚い助成を行う制度です。対象は会社法上の法人・個人事業主に限られ、医療法人や社会福祉法人等は対象外である点、脱炭素取組宣言とYGrEP協議という事前手続きが必要な点に注意が必要です。

最大の特徴は、神奈川県「自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金」との併用が公式に認められていることです。他の公的補助金とは原則重複できない中で、この県補助金だけが例外的に併用可能とされており、横浜市内の事業者にとっては「県+市のダブル活用」という選択肢が現実的に存在します。

申請期間は令和8年10月30日までですが、先着順・予算到達次第終了する運用のため、脱炭素取組宣言等の準備を含め、早めの行動をお勧めします。

Enememoでは、横浜市・神奈川県それぞれの補助金の要件整理から、脱炭素取組宣言の実施サポート、申請書類の作成まで一括でサポートしています。「自社は両方の補助金を使えるか」「どちらから準備すればよいか」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。