こんにちは。Enememoの加藤です。
「埼玉県の補助金は太陽光があっという間に終了したと聞いた」「結局どの補助金を使えばいいのか分からない」。埼玉県内で事業を営む経営者様から、こうしたご相談をいただくことがあります。
結論から言うと、埼玉県の事業者向け補助金は完全に終了したわけではありません。ただし、県の制度には、対象となる市町村では「県ではなく市町村の制度を使ってください」という重要な線引きがあります。特にさいたま市内の事業者様は、県の制度ではなくさいたま市独自の2つの補助金が実質的な選択肢になります。「気づいたら終わっていた」という機会損失を防ぐため、県・市それぞれの現状を整理します。
埼玉県「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」:先着順ではなく応募期間制
埼玉県の事業者向け補助金は、正式名称を「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」といいます。先着順ではなく、募集期間内に提出された申請をまとめて審査する方式が採られている点が、住宅向け補助金(開始後わずか数日〜1か月程度で予算到達・受付終了することがある制度)とは大きく異なります。
令和8年度は次のスケジュールで実施されています。
- 初回募集:令和8年7月6日〜7月24日(終了)
- 2次募集:令和8年8月17日〜9月14日17時必着(現在受付中)
- 3次募集:令和8年10月13日〜11月9日予定(予算残額に応じて実施)
補助対象設備と補助率は次のとおりです。
- 太陽光発電設備:5万円/kW(埼玉版スーパー・シティプロジェクト参加市町村の取組に位置付けられた事業の場合は7万円/kW)
- 蓄電池:補助対象経費の3分の1(同上の場合は2分の1)
- 太陽光発電設備と蓄電池を合わせた上限は1,500万円
- そのほか、水力・バイオマス発電設備、熱利用設備、コージェネレーションシステム等も対象
重要な注意点として、県公式ページには「以下の市町村では同様の補助事業を実施しています。当該市町村での導入を検討されている方は、市町村への申請をご検討ください。なお、当補助金との併用はできませんのでご注意ください」と明記されています。 対象市町村として、さいたま市、新座市、秩父市、所沢市、春日部市、久喜市の6市が挙げられており、さいたま市内の事業者は、県のこの補助金ではなく、さいたま市独自の補助金を使うことになります。
つまり、埼玉県内の事業者様は、まず「自社の事業所がこの6市に該当するかどうか」を確認する必要があります。該当しない市町村(例えば川口市、越谷市、川越市等)の事業所であれば、県の2次・3次募集が引き続き選択肢になります。
さいたま市内の事業者は「市の2つの補助金」が対象
さいたま市には、太陽光発電・蓄電池を対象とした事業者向け補助金が2つ存在します。両者は対象設備が重なるため、併用はできません。どちらが自社に合うか、規模と予算残額で選ぶ必要があります。
① 創エネ・蓄エネ設備導入補助金
- 補助金額:1件につき上限60万円(補助対象経費のうち国等の補助金交付額を控除した額の2分の1以内。複数設備を申請しても上限は60万円)
- 太陽光発電設備:太陽電池パネルの公称最大出力の合計が5kWを超える規模のもの
- 蓄電池:定格容量0kWh以上
- コージェネレーションシステムも対象
- 申請受付:令和8年5月18日(月)開始。予算がなくなり次第終了
- 令和8年度予算:420万円(比較的小規模な予算枠)
- 事業期間:令和8年3月16日から令和9年3月15日までに工事及び支払いが完了する事業が対象
- 0円ソーラー事業者(初期費用0円で太陽光を設置するサービス事業者)が事業所に設備を設置する事業も対象
② 重点対策加速化事業補助金
- 太陽光発電設備:5万円/kW(補助上限額の定めなし)
- 蓄電池:補助対象経費の3分の1(補助上限額の定めなし)
- 太陽光発電設備は12kW超が対象(創エネ・蓄エネ補助金の5kW超より規模の大きい設備を想定した制度設計)
- 申請受付期間:令和8年6月15日(月)から令和9年2月1日(月)まで。予算がなくなり次第終了
- 対象工事期間:令和8年4月1日(水)から令和9年3月1日(月)まで
- 令和8年度予算:9,117万1,000円(創エネ・蓄エネ補助金より大幅に大きい予算枠)
- 環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用した制度で、交付金は令和5年度から令和9年度までの予定
2つの制度の使い分けの目安として、比較的小規模な太陽光(3.5kW超〜12kW以下)や蓄電池のみを検討している事業者は上限60万円の「創エネ・蓄エネ設備導入補助金」、12kWを超える規模の太陽光発電を検討している事業者で、かつ上限額の制約を避けたい場合は「重点対策加速化事業補助金」が選択肢になります。ただし予算規模が異なり、後者の方が予算残額に余裕がある可能性が高い点も判断材料になります。
申請前に必ず確認すべきこと
いずれの制度も、交付決定前の契約・着工は補助対象外となる運用が一般的です。埼玉県・さいたま市のいずれの制度も、予算がなくなり次第、募集期間の途中でも受付を終了する可能性があります。
特にさいたま市内の事業者様は、次の点を順番に確認することをお勧めします。
- 自社の事業所がさいたま市内にあるか(さいたま市内であれば県の補助金は対象外、市の補助金を検討)
- 検討している太陽光発電設備の規模が5kW超12kW以下か、12kW超か(前者は創エネ・蓄エネ補助金、後者はどちらの市補助金も選択肢になり得る)
- 各制度の予算執行状況(さいたま市の重点対策加速化事業補助金は、前年度の令和7年度時点で年末までに予算執行率が約7割に達していた実績があり、年度後半にかけて予算が逼迫する可能性があります)
まとめ
「埼玉県の補助金は終了した」という情報を目にしても、それが住宅向け制度の話なのか、事業者向け制度の話なのかを見極めることが重要です。事業者向けの「企業等における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」は、令和8年9月時点で2次募集が受付中であり、10月には3次募集も予定されています。
ただし、さいたま市、新座市、秩父市、所沢市、春日部市、久喜市の6市の事業者は、県の補助金ではなく市独自の制度を使うことになる点に注意が必要です。さいたま市内の事業者様は、上限60万円の「創エネ・蓄エネ設備導入補助金」と、規模の大きい太陽光向けで上限額の定めがない「重点対策加速化事業補助金」の2制度から、自社の設備規模に応じて選択することになります。
Enememoでは、埼玉県・さいたま市それぞれの補助金の対象可否の整理から、予算執行状況の確認、申請書類の作成まで一括でサポートしています。「自社はどの制度が対象になるか」「今から間に合うか」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。

